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山形県上山市のこんにゃく専門店。営業時間(お買物9:00~17:00、お食事11:00~16:00(L.O.)※、日々蒟蒻(cafe)9:30~16:00)

こんにゃくへの想い

山形の四季があるからこそ、作り上げることができる丹野のこんにゃく

こんにゃく造りは、とても大変な仕事。味にこだわればこだわる程に奥が深く、温度や放置時間、石灰の溶解温度などが味わいに微妙に絡んでくる為です。山形に素晴らしい自然、四季があるように、こんにゃくも四季により表情が変わるのです。良質のこんにゃくとは、弾力と粘りがあり、歯ごたえもしっかりしているものをさしますが、試行錯誤して一度美味しいものができたとしても、なかなか同じものを作り上げることが難しいのです。一定の品質を保ったこんにゃくを作り出す為、自然に逆らうのでなく、自然・四季をうまく利用し、足りないものを何人もの手をかける。

其の壱「人」

こんにゃくは四季によって表情を変えるため、その時々の表情に敏感に反応し、過不足を補ってあげなければなりません。

こんにゃく造りの難しいところは出来映えがすぐにわからないところ。あらゆる条件が関わってくるからこそ、なかなかコレという答えにたどり着くことはできません。こんにゃくをしっかりとこねられるようになるには、腕一~二年、腰三~四年、腹で練られるようになるまでは五年以上かかるというのが定説になっています。そのために歯や腰を悪くすることも多く、若い人たちも仕事の辛さに挫折する事が多いと言われます。結果、この仕事への情熱がなければ、こまやかな美しさの追求は出来ません。それは、職人の妥協を許さないこんにゃく造りの根底に息づく「こだわり」でもあります。こんにゃくは四季によって表情を変えるため、その時々の表情に敏感に反応し、過不足を補ってあげなければなりません。そうした感性と技術で、品質が一定で美味しいこんにゃくを作り上げます。また、丹野こんにゃくの商品、こんにゃく番所・日々蒟蒻(cafe)のメニューなど、それぞれの素材に応じてこんにゃく造りをしている、丹野こんにゃくの大元です。こんにゃくそのものに”旬”という四季がありません。そのため、料理に仕上げる事で四季を演出してくれます。こんにゃくのクセを捕らえなければならないので難しいのですが、食感や味わいの違うこんにゃくを尚引き立たせるために、味付けなどを日々工夫しています。丹野の顔として、笑顔でお客様に直に接し、商品のご説明から丹野ならではのおもてなしをしてくれます。また、お客様からいただいたご意見やアドバイスを製造や調理スタッフへと伝え、よりよいこんにゃくをつくり上げるための、丹野とお客様をつなぐ架け橋です。

其の弐「水」

こんにゃく造りに水は欠かせません

こんにゃく番所内に湧く、「名水・益栄の水」。地下二百数十メートルから湧き出るカルシウム豊富なアルカリ天然水が、独特のこんにゃくの味わいを決定づける大きな要素になっています。くみ上げる地下水は、温度が18度と一定のため、冬場には気温との温度差でこの湧き水から湯気がたちます。また、この地下水にはカルシウムが多く含まれており、流れ出る石には白くカルシウムが固まっています。

其の参「創」

知れば知る程、奥が深いこんにゃく。 だからこそ、こんにゃく造りは一生をかけたい仕事なのです。

こんにゃく造りは常に変化し続ける仕事です。商品として新しいものをつくりあげても、その時点ではまだ70%程の完成でしかないのです。お客様のご意見をお伺いしたり、更にアイディアを盛り込んだりして、さらによりよいものへと進化させなければならないのです。

父に教えられながらこんにゃく造りをはじめ、42歳でようやくこんにゃくの表裏がわかってきた頃、それまではこんにゃくの製造販売を主にしていました。皆様にこんにゃくにもっと親しんで頂くために、ぜひお料理で味わって頂きたいと思い、こんにゃくの良さを生かすにはどうすればよいかと自身の勉強のために様々な懐石料理を食べ歩きました。こんにゃく造りは父という師匠がおりましたが、料理に関しての知識は全くありませんでしたので、出張などの出先で夕方から3件も料亭を巡ったりもいたしました。料理についての見聞を広める事ができましたが、そうした無茶をしたために、自身が糖尿病になってしまったのです。改善のために病院に入院もいたしました。糖尿のカロリー制限というものは、毎食ごとに1食のカロリーを計ってから食べければなりません。そうして、栄養あるものを除いていきますと、全体量も少なくなり、どうしても物足りなさが残ってしまうのです。その時、こんにゃくだったら、かさましした量を0kcalとして計算できるのに、と考えました。そして、こんにゃくの必要性というものを強く感じたのです。

丹野こんにゃくのこんにゃく料理が美味しいワケ

なぜ楢下という山里においしいこんにゃく屋が残っていたのでしょう。近くには銅山があり、工夫さんがたくさん働いていました。そうした方たちが砂おろしのためにこんにゃくを食べていました。元々、こんにゃくは薬として処方されていたものなので理にかなった食事として定着していたのです。こんにゃくは95%が水分でできています。それは洗い物をするときの水をたくさん含んだスポンジのようなものでして、余計なものを吸収する前に体の悪いものをこすり落としてくれるのです。腸が長い日本人には、最適な食べ物なのです。けれども、体に良いからと言って毎日こんにゃくを食べるのは大変です。現代では、調理の仕方がわからないという方も多いのです。だからこそ、たまにでも食べてみようと思っていただけるものを提供していくのが大事だと思うのです。人の食の好みは十人十色です。だからこそ、これなら試して頂けるだろうかと考えるうちに、こんにゃく料理のバリエーションが増えていきました。こんにゃくスイーツも、子供のうちから食べて頂きたいと思うからです。こんにゃく屋としましては、そんなこんにゃくは邪道だと葛藤する気持ちもございます。昔ながらのこんにゃくを知らずに、こちらがこんにゃくとして定着してしまっては元も子もないのです。ですから、昔からあるこんにゃくと新しいこんにゃく両方をご提供していくことが大事だと思うのです。丹野は、製造スタッフ、板さんたち・・・とおそらくこんにゃく屋としては大所帯だと思われます。けれども、それはやはり人の手をかけたものが一番だと思うからです。何でも愛情をかけなければ良いものはできないのです。こんにゃくを練るにしても、人の手で程良く成分が不均等に混ざった方が歯ごたえも違います。その分、賞味期限が短くなりますが、こんにゃくは魚や野菜と同じ生鮮食品ですから、本来は1週間くらいで悪くなるくらいの物の方が良いものだと思うのです。こんにゃくは実際生きています。パックに詰められてからも、周りの水を吸ったり吐いたりしているのです。ph値が違う中に入れてしまうと縮んで固くなったりもします。ですから、保存するときは丹野のこんにゃくはパックに入っていた水に入れて頂くようにしているのです。

板さんと相談しながら新商品を考えるのですが、そのうちで成功するのはほんの一握りです。お客様のリクエストで登場以来ずっと品書きに加えられているものもありますが、毎回足を運んで下さるお客様に毎回楽しんで頂くためには、次々と新しい発見を提供していかなければなりません。独学独歩。人に教えられたものではなく、実際に自分が触って味わってみなければ発見はありません。今は自分で答えを見つける前に、情報として答えが出回っています。けれども、そうした決まった答えとは違う見方からの答えを見つけていかなければならないと思うのです。1+1=2というのが決まった答えです。けれども、私の中では1+1=41なのです。こんにゃく番所でお出しする料理は、お客様のこんにゃくというものの認識と違うからこそ、お客様は喜んでくださるのです。

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